陸軍上等兵　金子千歳の記録

販売価格: 1,980円（税込み）

商品コード: 9784784088560

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ジャンル: 戦争・戦後

レーベル: 限定商品

金子司　著

定価　本体1800円＋消費税

A5判並製　142ページ

ISBN978-4-7840-8856-0　C0021

2025年2月

　太平洋戦争末期の1944年、パラオ諸島ペリリュー島で戦死した伯父・金子千歳（かねこ・ちとし）の出征前後から死に至るまでの経過を、遺品のノートや当時の公的通知文書、家族宛ての軍事郵便などの史料を基にたどる。

　著者は、自宅の土蔵を整理する中で、親族が大切に保管してきた伯父にかかわる数々の史料を発見。書かれている内容を解き起こし、書物として記録に残すことを思い立った。

　史料は、学校時代の通信簿や賞状、日記帳、中国に派遣された部隊への慰問状の下書き、役場や地元青年会などから出征兵に送られてきた通知文書、故人が入営する直前に親が近隣の人々を招いた祝儀の記録帳、故人が旧満州の部隊から家族に宛てた軍事郵便、南方転進を前に両親に宛てた遺書、南方の所属部隊長から家族に届いた手紙など。記述を一点ずつ活字に起こしながら、それぞれ時期や内容について注釈を加えた。

　出征前の文書類からは、農村の一青年がどのように兵隊として戦争に組み込まれていったのか、その一端がうかがえる。軍事郵便は、極寒の地で常に家族のことを案じ、故郷を思う気持ちが記されている。著者は、故人の戦死について、ペリリュー島の激戦で命を落とした多数の兵士と同様に1944年12月末の同じ日に「戦死」と一括りにされながら、家族は終戦から10カ月後に公報で初めて死を知らされた経緯も史料を通じ明らかにした。若者の命が軽んじられた「戦争のひどさ」を訴えるとともに、「子が親に宛てて遺書を書く時代に戻ることのないように」と願う。

●目次

一、金子千歳史料

二、慰問状

三、軍事郵便

四、金子千歳年表

五、戦死年月日

六、戦死公報

七、遺骨収集

●著者プロフィル

金子司（かねこ・つかさ）

長野県埴科郡坂城町網掛生まれ。農業の傍ら、60代半ばになって文化財保護の大切に気づき文化財保護に協力中。同町在住。