信州伊那谷に来た謀略機関　市民が迫る陸軍登戸研究所の疎開の実態

販売価格: 1,500円（税込み）

商品コード: 9784784088454

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ジャンル: 戦争・戦後

レーベル: 限定商品

登戸研究所調査研究会　編

定価　本体1364円＋消費税

A5判　並製　202ページ

ISBN978-4-7840-8845-4　C0021

2023年9月

駒ケ根市を中心に上伊那地方の有志でつくる登戸研究所調査研究会の自費出版。2018年5月に結成されて以来、第二次世界大戦末期の1945年春に川崎から上伊那に疎開してきた旧陸軍登戸研究所をめぐり、当時を知る住民への聞き取り調査や資料収集、学習・展示活動を重ねてきた。5年間の集大成として、研究所の組織、秘密作戦の概要、残された資料からうかがえる疎開の狙い、地域住民を巻き込む本土決戦準備との関連性などをまとめた。

1989年夏、駒ケ根市の赤穂高校平和ゼミナールの生徒たちが、地元に住む研究所の元幹部らを訪ね、研究内容や秘密作戦の一端を聞き出したことから、実態が徐々に明らかとなってきた。以来30年近く、地域での調査は、ゼミナール顧問だった木下健蔵氏が個人で丹念に継続し、著書も出版した。2015年、地元の公民館協議会が戦後70年を機に登戸研究所の問題を企画したことから、市民の間に関心が呼び起こされ、研究会が発足。赤穂高校平和ゼミナールも復活するなど、市民の手で実態を追う動きが再び活発化してきた。研究会は現在、世話人約20人、会員約100人で活動。

34年前、高校の文化祭で登戸研究所について発表しようと発案した北原いづみさんは2019年に病気で逝去。北原さんに触発される形で、膨大な資料を基に全貌を探り当てた木下氏も2022年に世を去った。本書は、調査のきっかけを作り、研究会結成にも大きな力となった2人の功績をしのぶ内容ともなっている。

●編者プロフィール

2018年5月、上伊那地方の有志たちで結成された。第二次大戦末期の1945年春、駒ケ根市を中心に上伊那に疎開してきた旧陸軍の秘密謀略機関・登戸研究所をめぐり、史実を後世に伝えていこうと、研究や作戦の概要、疎開の狙い、地域住民を巻き込んで行われた武器製造の実態の掘り起こし、学習や展示活動を重ねている。現在、世話人は約20人、会員は約100人。

●内容

▽信州伊那谷でもゲリラ戦（本土決戦）を準備

　―なぜ秘密機関登戸研究所がこの信州伊那谷に疎開してきたのか

　―上伊那も本土決戦の戦場になる可能性があった

▽登戸研究所の組織と伊那谷への疎開

▽疎開していた登戸研究所は何を研究していたのか

　―飯島町の机の底の残存物の分析

▽残された行政文書が語る歴史の教訓

▽私たちが未来につなげていくもの

　―歴史のベールをはがした高校生たち

　―調査研究会の５年間の活動

▽資料　学校日誌・結成５周年記念シンポジウムまとめ