下士として、在郷軍人として　祖父が関わった大正期の軍事教育と地域

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1,980円（税込み）
商品コード
9784784088607

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ジャンル
戦争・戦後
レーベル
限定商品
岡村公一　著
定価　本体1800円＋消費税
四六判　並製　230ページ
ISBN978-4-7840-8860-7　C0021 
2025年8月
明治時代半ば、飯山の農家に生まれた祖父は、農業の道を志す一方、20歳で陸軍高田歩兵第五十八連隊に入隊、５年間の軍隊生活を送った。上等兵を経て伍長となり、初年兵らを統率する下士（班長）を務め、第一次世界大戦直後にシベリア出兵も経験。除隊後は地元に帰り、在郷軍人として村の青年訓練所・青年学校で軍事教練の指導に当たった。
祖父は、連隊での指導の要諦を綴った班長手簿、試験や課題の成績評価、若い初年兵たちの「所感」、村の実業補習学校や戦時下の青年学校で生徒・教員らの手記をまとめた「校報」など、多くの史料を残していた。
筆者は、戦争関連の文献と併せて史料を読み解き、大正期の軍事教育の実相、下士として祖父が努力した状況、戦時色の強まる昭和初期以降の地域の体制と祖父の関わりを、当時の時代背景と重ねて探った。戦時下の校報には、十代の若者たちの手記が載り、査閲での緊張ぶり、彼らの考え方、社会情勢から受ける影響がうかがえる。二度と戦争をしない、させない。若者を戦地に導く日が来ないように。その思いを込め、軍人・農業者として生きた祖父の足跡と地域の動静を、戦争のあった時代の記録として残した。
　祖父と同じ連隊で同時期にシベリアに出兵した竹内忠雄氏（長野市出身）による従軍記録の絵と手記も、遺族の協力で掲載。緊迫した戦場の様子をリアルに伝えている。

●目次
第一部　下士としての職務遂行
　第一章　祖父大口省吾と班長手簿など
　第二章　班長手簿からみとれる軍隊教育
　第三章　シベリア出兵
第二部　除隊後の地域との関わり
　第一章　大正末期から昭和十四年頃までの主な様子
　第二章　実業補習学校、青年訓練所、青年学校における教練
　第三章　祖父に関わる軍事郵便
　第四章　その後の祖父

●著者略歴
岡村公一（おかむら・まさかず、旧姓大口）
1957年長野県飯山市生まれ。飯山北高校、信州大学教育学部教育心理学科卒業。1981年教職に就き、2019年まで長野県内小学校に勤務。長野市在住。