煤花川清淡急流　一級河川裾花川河川災害改修史抄

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2,530円（税込み）
商品コード
9784784088478

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宮下秀樹　著
定価　本体2300円＋消費税
B5判　並製　258ページ
ISBN978-4-7840-8847-8　C0050
2024年2月
長野市西部の山間に端を発して中心市街地を流れ下り、長野市民にとって馴染みの深い裾花川。大がかりな河道付け替えや、幾重もの堤防が建設されてきた一方で、「戌の満水」「善光寺地震」をはじめとする多くの水害による破壊など治水をめぐる人と川との「闘い」が繰り返されてきた。江戸期以降の古文書や行政文書のほか豊富な資料をもとに、現役の建設技術者がこの歩みをひも解く。改修史からは、川を基点に精巧な土木技術で実現された善光寺周辺の用水路開発、私財のすべてを治水工事に投じた村びと一家の運命、渡し船から橋への変遷といった、川と市民生活との深い関わり合いも見えてくる。源流にあたる裾花渓谷と善光寺如来堂の建築にまつわる意外な結びつきを説くユニークな試論や、川をめぐる信仰、文化といったこぼれ話を集めた9編のコラムも掲載。ダムや堤防に関する現代の技術開発にも触れながら、著者は「川と人との闘いはなお勝敗は決していない」と訴える。

●目次
第一章　江戸時代初頭における煤鼻（裾花）川の開発形態
第二章　中世善光寺如来堂の東向に関する試論
第三章　近世初頭以前の鐘鋳堰の開発について
第四章　戌の満水に関する諸史料及び寛保満水図と御領分荒地引替願いについての考察
第五章　近世中期の煤鼻（裾花）川の災害
第六章　中御所村岡田組百姓重助の苦闘
第七章　弘化四年善光寺地震による煤花（裾花）川の土砂災害とその後の対応
第八章　煤鼻之渡し・相生の橋
第九章　近代における裾花川下流域の大開発
第十章　暴れ裾花川を鎮めた人々

●著者プロフィール
宮下秀樹（みやした・ひでき）
昭和30年　長野市に生まれる
昭和46年　国立長野高等専門学校土木工学科入学
昭和51年　長野高専卒業とともに株式会社守谷商会に入社
平成10年　技術士（建設）資格取得
平成11年　長野高専非常勤講師
平成24年　東北大学大学院にて博士（工学）の学位を授与
平成28年　長野高専客員教授の称号を授与
令和3年　長野高専客員教授・非常勤講師を退任。この間、守谷商会執行役員を十二年間務める。現在守谷商会長野建築本店勤務